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·長野県上高井郡小布施町·約7分

麦わら帽子の下は、間仕切りのないワンルーム——小布施町立図書館 まちとしょテラソ

北信濃の山並みに呼応する山なりの屋根、館内には仕切りのない大きなワンルーム空間。館長も設計者も全国公募で選ばれ、町中の飲食店や酒屋が本棚を持つ「まちじゅう図書館」まで広がる。愛称と館内装丁料理まで、町ぐるみでつくり上げた図書館。

まちとしょテラソの外観イメージ(AIによるイラスト)

※画像はAIによるイメージです。実際とは異なります。

長野電鉄小布施駅から歩いて2分。「栗と北斎のまち」として知られ、人口の100倍にあたる年間120万人の観光客が訪れる小布施町の中心に、麦わら帽子のような三角屋根の図書館がある。小布施町立図書館「まちとしょテラソ」だ。

山なりの屋根と、3本の木の柱

設計を手がけたのは建築家・古谷誠章。敷地南側にある寺の木々のラインに正対するよう建物の外形を決め、切妻屋根が並ぶ町の景観に配慮しながらも、直線的な大屋根ではスケール感が合わないと判断し、周囲の山々に呼応する山なりの屋根を選んだ。三角形の部分は開架の閲覧室、北側の矩形部分に収蔵庫や閉架書庫をまとめている。敷地西側にあった大きな桜の木3本に敬意を表し、建物の一部をくり抜いて残したというエピソードも古谷氏自身が語っている。

**このシリーズは「図書館(建物)を楽しむ」ことをテーマにしている。**まちとしょテラソが体現するのは、間仕切りを最小限にとどめた「ワンルーム」の思想だ。耐震壁を外周部にまとめ、屋根を支える柱は館内にわずか3本。まるで木が立っているかのような柱がぽつぽつと立つだけの、仕切りのない大空間ができあがった。閲覧室の中には書架がまた三角形を描くように配置され、三辺に沿って緩やかに区分されたスペースが生まれている。2011年には「Library of the Year」大賞、2012年には日本図書館協会建築賞、日本建築美術工芸協会AACA賞と、建築・図書館の両業界から評価を受けている。

館長も愛称も、町民の手でつくった

この図書館のもうひとつの特徴は、そのつくられ方にある。館長は全国公募で選ばれ、初代館長・花井裕一郎氏はもともと映像の専門家だった。愛称の「まちとしょテラソ」も全国から224点の候補を集め、町民投票を経て決定したものだ。「まちとしょ」には「待ち合わせの場」の意味を、「テラソ」には古谷氏の「闇夜を照らす行灯のような存在に」という思いから「照らそう」、ラテン語で大地を意味する「terra」、種をまくという意味の「sow」など、複数の意味が込められている。

館内では静かに本を読むだけでなく、おしゃべりも遊びも自由。花井氏がつくりたかった「たまり場」という理念どおり、それぞれが思い思いの過ごし方をしている光景が広がる。

町全体が図書館になる「まちじゅう図書館」

小布施ならではの取り組みが「まちじゅう図書館」だ。町内の飲食店や酒屋、銀行、郵便局など15の店舗にオーナー独自の本棚が置かれ、参加を示す「フラッグ」を掲げれば誰でも「館長」になれる。絵本をたくさん集めたレストランがあれば、東洋医学の専門書を貸し出す味噌工房もあるなど、蔵書のジャンルは店ごとに個性豊かだ。2023年で14年目を迎えた取り組みで、登録が100館に達したら小布施町を「本のまち」として宣言することを目指しているという。

館内では地元の伝統品種・固定種の種を貸し出す「タネの図書館」も展開しており、現在58種の野菜や花木の種が保管されている。借りたタネを育てて、収穫した種を「気持ち多めに」返すという、図書館らしい循環の仕組みだ。

アクセス

  • 長野電鉄長野線 小布施駅より徒歩約2分
  • 上信越自動車道「小布施スマートIC」より車で約5分
  • 図書館専用駐車場はなし。自動車で来館の際は小布施町役場の駐車場を利用

こんな人におすすめ

  • 建築好き — 山なりの屋根、柱3本だけのワンルーム空間、間仕切りのない開放的な構成が見どころ
  • 図書館の運営・まちづくりに興味がある人 — 館長公募、愛称公募、まちじゅう図書館など、町民参加型の仕組みが随所にある
  • 北斎・栗菓子めぐりをしたい人 — 北斎館、岩松院、小布施堂など徒歩圏内に見どころが集中
  • 静かな町を歩きたい人 — 小布施は集落が町の中心から半径2km圏内に収まるコンパクトな町で、図書館を拠点に一日歩き回れる

周辺スポット

美術館

北斎館

晩年の10年を小布施で過ごした葛飾北斎の肉筆画を収蔵する美術館。祭屋台に描かれた天井絵も見どころで、北斎ファンなら外せない一館。

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徒歩約8分
寺院

岩松院

北斎が晩年に手がけた大天井絵「八方睨み鳳凰図」で知られる寺。畳21畳分もの大きさで、どこから見ても鳳凰と目が合うように描かれている。

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車で約10分
和菓子店

小布施堂

栗菓子で知られる小布施を代表する老舗。栗きんとん、モンブラン朱雀などが名物で、季節には栗かき氷も味わえる。

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徒歩約8分
美術館

おぶせミュージアム・中島千波館

小布施出身の日本画家・中島千波の作品を中心に、地元ゆかりの美術・工芸品を展示する美術館。子ども向けの遊び場も併設。

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徒歩約8分

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まちとしょテラソは長野電鉄「小布施駅」から徒歩約2分。栗と北斎のまち・小布施めぐりの拠点にぴったりです。

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