渡し船の記憶を辿って——桑名市立中央図書館
熱田の宮の渡しを出た船が、海を越えて着いた先が桑名。東海道の旅情を胸に、複合施設「くわなメディアライヴ」の3・4階に構える、日本初のPFI図書館を訪ねた。

※画像はAIによるイメージです。実際とは異なります。
熱田神宮の境内を抜けて、宮の渡し公園に立つと、揖斐川の対岸へと目が向く。江戸時代、旅人はここから船に乗り、海路七里を越えて桑名へと渡った。東海道唯一の海上路——「七里の渡し」である。
その渡し船が着いた先、桑名の地に、今日は本を読みに来た。
日本初のPFI図書館という出自
桑名市立中央図書館が入るのは、市中心部の複合施設「くわなメディアライヴ」。3階と4階が図書館フロアになっている。
この図書館には、ちょっとした勲章がある。2004年にPFI手法で運営する、日本初の図書館として開館したという歴史だ。「いつでも・どこでも・誰でも」を基本理念に掲げ、図書や雑誌だけでなく、データベースや映像メディアまで幅広く提供してきた。
なかでも面白いのが自動化書庫「オートライブ」。職員が「出納ステーション」で操作すると、書庫からカウンターへ自動でバスケットが本を運んでくる仕組みで、書庫はガラス張りになっているためその動きを見ることができる。本が「動いて」やってくる光景は、なかなか見られるものではない。
3・4階から見渡す、川のある街
フロアは蔵書数約34万冊と、エリアの中でも充実した規模。晴れた日にはテラスに出て読書もできる。PC持込・電源使用可で自習室もあり、長時間滞在にも向いている。
開館時間が平日21時まで(日・祝は17時)という点も嬉しい。夕方以降にゆっくり立ち寄れる図書館は、意外と少ない。
駐車場は施設に付属しているが、台数がやや少なく満車になることも。土日は公共交通機関か、早めの到着が安心だ。
宮の渡しから七里の渡しへ
図書館の訪問とあわせて歩いてほしいのが、七里の渡跡。駅から少し距離はあるが、川沿いの道を進むと、伊勢路の入口を示す大鳥居「伊勢国一の鳥居」が現れる。
ここは熱田の宮の渡しと対になる場所だ。かつての旅人が船を降り、伊勢へと歩き始めた地。同じ東海道の旅情を、熱田と桑名の両側から感じることができる。
本を読んで、歴史の道を歩く。桑名はそういう遠出にちょうどいい街だ。
基本情報
| 項目 | 内容 | |------|------| | 住所 | 三重県桑名市中央町三丁目79(くわなメディアライヴ3・4階) | | 開館時間 | 月〜土 9:00〜21:00 / 日・祝 9:00〜17:00 | | 休館日 | 毎週水曜・年末年始・特別整理期間 | | アクセス | 三岐鉄道北勢線・西桑名駅より徒歩7分 / JR・近鉄桑名駅より徒歩10分 | | 蔵書数 | 約339,000冊 | | Wi-Fi | あり | | 電源 | あり | | 駐車場 | あり(台数少なめ・混雑注意) | | 学習室 | あり | | 公式サイト | 桑名市立図書館 |
こんな人におすすめ
- 熱田神宮→七里の渡しと東海道を旅気分でつないで巡りたい人
- 夜遅くまで開いている自習・読書スペースを探している人
- なばなの里や長島方面への遠出に図書館を組み込みたい人
- 自動化書庫など、ちょっと変わった図書館設備に興味がある人