三大ニュータウンの丘に、本がある——春日井市図書館
蔵書数80万冊超、文化フォーラム春日井の3・4階に入る大型図書館。隣接する高蔵寺ニュータウンは千里・多摩と並ぶ日本三大ニュータウンのひとつ。高度成長期の夢と現在の静けさが重なる街を歩いてから、本を借りに来る。

※画像はAIによる外観イメージです。実際とは異なります。
春日井市は、名古屋のベッドタウンとして今も発展を続けている街だ。新しいイオンが開業し、JR中央本線で名古屋駅まで最短17分。住環境の良さと交通利便性から人口は増え続けており、「子はかすがい、子育ては春日井」のキャッチフレーズが示すように子育て支援にも力を入れている活気ある都市だ。
その春日井市の中心に、蔵書数80万冊超の大型図書館がある。
文化フォーラム春日井の3・4階に入る
春日井市図書館は、春日井市役所の隣に立つ複合文化施設「文化フォーラム春日井」の3階と4階に位置する。1999年の開館以来、市民の知の拠点として機能してきた。
蔵書数は約80万冊。学習室はWi-Fi完備で定員60席(30席×2部屋)。平日は自由利用だが、休日や学生の夏休み期間は抽選制になるほど需要が高い。社会人専用の調査研究室も設けられており、PC持込で本格的な調べものにも対応している。
点字図書・録音図書も取り扱っており、0歳から参加できるお話し会・読み聞かせ会も定期開催。幅広い世代に開かれた図書館だ。
高蔵寺ニュータウン——高度成長期の夢の跡
図書館から車で15分ほど走ると、時代の重なりを感じる場所がある。
高蔵寺ニュータウン。千里(大阪府)・多摩(東京都)と並ぶ日本三大ニュータウンのひとつで、昭和43年(1968年)に入居が始まった高度成長期最初期の大規模住宅地だ。日本住宅公団(現・UR都市機構)が手がけた全国初のニュータウン開発事業として注目を集め、計画人口は8万1千人、計画戸数は約2万戸という壮大なスケールで開発された。
丘陵地を切り開いて作られたニュータウンだけに、地名にはすべて「台」の文字が付けられている。藤山台・高森台・押沢台・岩成台……。かつてこの丘には、高度成長の波に乗った若い家族たちが次々と引っ越してきた。
しかし1995年の約5万2千人をピークに人口は減少に転じた。団塊世代の子どもたちが巣立ったまま新しい入居者は増えず、高齢化率は地区によっては40%を超えている。
丘の上に広がる住宅街を歩くと、時代の流れが静かに伝わってくる。整然とした街並みはそのままに、かつての賑わいの痕跡がある。これはまぎれもなく高度経済成長という時代が作り出した景色だ。
廃線になったモノレールの記憶
高蔵寺ニュータウンにはもうひとつ、時代を感じさせるものがある。
ピーチライナー——正式名称・桃花台線。桃花台ニュータウン(小牧市)と高蔵寺駅を結ぶ計画で建設されたモノレールだ。バブル期の1991年に開業したが、利用者は伸びず2006年に廃止となった。廃線から20年近くが経った今も、高架橋の一部が撤去されずに残っており、当時の計画の壮大さと現実の落差を静かに物語っている。
ニュータウンという名前だが、今は昔。その言葉が持つ軽やかさと、実際の街の静けさとの間にある距離を、歩きながら感じてほしい場所だ。
アクセス
- JR中央本線 春日井駅より徒歩約20分、または名鉄バス「鳥居松」停留所より徒歩約2分
- かすがいシティバス 「市役所」停留所より徒歩約1分
- 専用駐車場なし。近隣の有料駐車場を利用
こんな人におすすめ
- 蔵書数重視の人 — 約80万冊、学習室60席・Wi-Fi完備と設備が充実
- 高度成長期の都市史に興味がある人 — 三大ニュータウンのひとつを歩いて時代を感じられる
- 名古屋近郊でじっくり過ごしたい人 — 図書館→ニュータウン散策→植物園という半日コースが作れる
- 子育て世代 — 0歳から参加できるお話し会・読み聞かせ会が充実
周辺スポット
高蔵寺ニュータウン
昭和43年入居開始、千里・多摩と並ぶ日本三大ニュータウンのひとつ。丘の上に広がる住宅街はかつて計画人口8万1千人を誇ったが、現在は高齢化と人口減少が進む。廃線となったモノレール(ピーチライナー)の遺構も残り、高度成長期の夢の跡を感じながら歩ける。
Google Mapsで見る ›春日井市都市緑化植物園
都市緑化をテーマにした植物園。広大な敷地に花木・草花・樹木が揃い、季節ごとに異なる表情を見せる。入園無料で気軽に立ち寄れる。図書館で植物の本を借りてから訪れるのも一興。
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